ハートふるメッセージ

荒川区西日暮里の神経科・心療内科・精神療法・カウンセリング・薬物療法の倉岡クリニックがお送りする、心に響くメッセージブログです
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154.東日本大震災
 

まずは、今回の震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。そして震災で様々な被害をうけられた方々、およびご家族の皆様方に、心よりお見舞いを申し上げます。

 

平成23311日午後246分、午後の診療を始めるための準備をしていたとき、突然診察室が大きく揺れ始めた。受付にいた職員の悲鳴が聞こえ、部屋中でがたがたと物が音を立て、ドアの軋む音がして、診察室に置いてあった熱帯魚の水槽の水が大きく揺れてあふれ、机の上が水浸しになった。

 

「地震だ!」と思って待合室に行くと、すでに診察の順番を待ってソファーに数人の患者さんが居たのだが、みんな凍りついたように座ったままで、一言も言葉を口にすることができなかった。天井の照明は大きく揺れていたが、幸い物が落ちたりする様子もなかった。

待合室にも熱帯魚の水槽が置いてあり、これも大きく揺れて水がこぼれていたが、転倒しないようにと、揺れがおさまるまで支えるのが精一杯だった。

 

職員はすぐ入り口の扉と非常口の扉を開け、いつでも外に出られるようにして様子を見ていたが、揺れがいつまでもおさまらずゆっくりとした横揺れがかなり長い間続いた。

そしていったんおさまったかに見えたが、すぐにまたゆれ始め、おさまる気配がなく次第に恐怖感が大きくなって外を見ると、道を歩いていた人はしゃがみこみ、お店の人は外に出て辺りを見回し、電柱や電線も波打つように揺れていた。

 

それでもようやく揺れがおさまり、急いでテレビをつけて情報を得ようと見ているとどこのテレビ局も混乱していたのか、「今地震がありました。詳しいことは情報が入り次第お伝えします。」と決まり文句を云って、何が起こったのかわからないといった状態であった。

 

それからしばらくして、東北地方の太平洋沿岸、福島県、茨城県、千葉県にいたる広範な地域にわたる被害状況が報告され、三陸沖を震源とするマグニチュード9の、史上まれにみる巨大地震であったことがわかった。

 

その巨大地震によって引き起こされた巨大な津波。そしてその津波によって押し流された三陸から福島県地方の沿岸地域の損壊、さらに東京電力福島第一原子力発電所の損壊によって引き起こされた、広範囲にわたる放射能汚染。この三つの災いが同時に起こり、日本国中に戦慄が走った。

 

時間がたつにつれて被害状況が明確になってくると、これは現実なのか、悪い夢ではないのか、本当に現実に起こったことなのかと、しばらくの間とても信じられなかった。

まるでギリシャ神話の『パンドラの箱』を開けてしまったかのように、いろいろな災いが次から次へと報道され、しかもその災いはいまだ進行中であり、いつ終息するかもはっきりせず、とめどなく続いている現実がある。

 

小泉純一郎元総理の『人生にはいろいろな坂がある。上り坂もあれば下り坂もある。でも一番気をつけなければならないのは、まさかという坂である。』という言葉を思い出した。

まさに今回のことは、そのまさかという坂であろう。こんなことが起きるなんで誰も予想しなかったことであり、誰しもまさかと思ったことだろう。

 

この防潮堤を超える津波はないと思われて威容を誇っていた防潮堤が、あっさりと超えられてしまい、津波は町全体を押しつぶしながら、海岸線から十数キロメートル内陸まで、押し寄せてしまった。これもまさかであった。

 

そして、地震の規模を示すマグニチュードは当初8.8と云われていたが、9.0と上方修正された。これも観測史上4番目という想定外の大きさであった。このような強い地震が起こるとは誰も思ってもみなかったことだろう。これもまさかである。

 

それに、東京電力福島第一原子力発電所の損壊による放射能汚染である。これも東京電力や政府の、原子力発電所はクリーンで安全であるという従来からの見解に、とんでもないことだと強い不信の念を感じた。このような大きな地震や津波は想定されていなかったという。危機管理という面で今後もちゃんとした安全対策が望まれる。

 

そして事故の処理に数カ月から年単位の時間がかかるということが分かり、人々の間に慢性のストレス状態を引き起こしている。これも初めての経験であり、まさかである。

 

『パンドラの箱』からは、ありとあらゆる災いが人間世界に飛び出していったが、最後に「希望」が残っていた。わたしたちはこの希望をもって震災の復興に当たらなければならない。世界中の人々が応援してくれている。わたしたちも今できることを考え、思いついたことは実行して、少しでも早く復興しなければならない。

 

一人ひとりの力は微々たるものかもしれないが、たくさん集まると大きな力、大きな希望になっていくだろう。今だけでなくこれからもずっと、復興したとみんなが思えるまで、息の長い支援を続けなければならないと思う。

ハートふるメッセージ | 17:59 | - | -

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