ハートふるメッセージ

荒川区西日暮里の神経科・心療内科・精神療法・カウンセリング・薬物療法の倉岡クリニックがお送りする、心に響くメッセージブログです
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155.ロバと親子
 

イソップ寓話のなかに、ロバを売りに行った親子の話があります。

 

あるときロバを売りに行く親子が、ロバを引いて歩いていると、村の人が笑っていいました。「バカだなー、ロバに乗っていけばいいのに。」それを聞いたお父さんは、「それもそうだ。」と思い、あわてて息子をロバに乗せました。

 

しばらくするとお父さんの友だちがやってきて「子どもを乗せて自分が歩くなんて、甘やかしてはダメだよ。」と言われ、お父さんは「それもそうだ。」と思ってまたまたあわてて、子どもをおろし今度は自分が乗りました。

 

すると牛飼いのお姉さんに「自分は楽をして、小さい子どもを歩かせるなんてひどい父親だね。」と言われます。「なるほどそうだな。」と思ってお父さんはあわてて今度は二人でロバに乗りました。

 

ロバは二人も背中に乗せて、苦しそうによたよた歩いていました。ちょうど教会の前を通りかかると、牧師さんに「二人で乗るなんて、ひどい親子だ。ロバが弱っているじゃないか。」と言われ、もうどうしていいか分からなくなりました。

 

すると牧師さんは「ロバを担いでいきなさい。」といったので、ロバの足を棒にくくり、二人で担いでいきました。重くて大変でしたがもうすぐ市場に到着です。

 

ところが橋の上まできたところで、逆さにつるされたロバは苦しがって暴れ出し、棒が折れて川に落ち、流されていってしまいました。

 

大切なロバをなくしたお父さんは、「ああ、何ということだ。これというのも自分が人のいうことばかり聞いていたからだ。」と親子でしょんぼり家に帰っていきました。

 

この話の一般的な教訓は、「人の意見を聞くのはいいが、それをそのまま受け入れないで、もう一度自分でじっくり考えてから判断しないと、大切なものをなくしてしまうよ。」ということでしょう。

 

この話を聞いて考えさせられるところはたくさんあります。この物語に登場する人物は、お父さんと子ども、村の人々、お父さんの友達、牛飼いのお姉さん、それに牧師さんです。

 

あなたがこのお父さんの立場だったらどうしますか?

 

まず、お父さんはロバを売りに市場に行くことになっていました。ロバは商品ですから大切に取り扱わなくてはなりません。だからロバに乗るという行為は商品を傷める可能性があり、市場に着いて元気がなくなっていれば、値段も下がることになります。

 

お父さんにその認識があれば、村の人に「ロバに乗っていけば良いのに」と言われたとしても、「このロバは大切な商品ですから、乗らないで引いていきます。」と説明すればわかってもらえたでしょう。

 

それでも、長い道のり、疲れてしまうことはあるでしょう。そういうときにはまず子どもをロバに乗せることによって、子どもを休ませることができ、しかも子どもを乗せたときのロバの疲れ具合を見ることができます。

 

だからお父さんの友達から「子どもを甘やかしてはいけない」と言われたとしても、子どもを乗せて、ロバの体調をみているところですと答えればいいでしょう。

 

ロバの体調に変化がなければ、今度はお父さんが乗ってロバの様子を観察してみます。牛飼いのお姉さんに「自分は楽をして、小さい子どもを歩かせるなんてひどい父親だね。」と言われても、「このロバは頑丈で、大人のわたしが乗ってもびくともしません。今それを証明しています。」と答えればいいのです。

 

最後の牧師さんの提案はナンセンスです。ロバは健康であれば自分の足で歩くのが自然です。棒にくくりつけられ、さかさまにつるされたらパニックになってしまいます。自由になろうとして暴れるのは当然でしょう。

 

だから牧師さんの提案には、「そうですね。二人で乗るといくら頑丈な私のロバでも疲れてしまいます。もうすぐ市場につきますから二人とも下りてロバは引いていきます。」とでも答えればいいでしょう。

 

そうすると最初の思惑通りに、市場でロバを売ってお金を手に入れて、親子で幸せな家路につくことができたのではないでしょうか。

 

自分の考え方や行動に自信が持てないと、人は他人の不用意なアドバイスでも簡単にを受け入れてしまうようですね。

ハートふるメッセージ | 11:26 | - | -

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