ハートふるメッセージ

荒川区西日暮里の神経科・心療内科・精神療法・カウンセリング・薬物療法の倉岡クリニックがお送りする、心に響くメッセージブログです
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158.こころの物理学
 

アイザック・ニュートンは、りんごが木から落ちるのを見て、万有引力の法則を発見するヒントを得たという、あまりにも有名な逸話がある。

 

事実かどうかは定かではないが、彼の実家の庭にあったというリンゴの木の枝を接木したものが小石川植物園に存在する。これは昭和39年イギリス国立物理学研究所長サザランド卿より日本学士院長柴田勇次博士に送られ、その後寄贈されたものだそうである。

 

ニュートンの業績はいろいろあるが、一番有名なものは、やはり万有引力の法則であろう。これは古典物理学の基礎をなすものであり、わたしたちが学校で習った物理学はこのニュートン物理学であった。

 

そして物体の運動に関するニュートンの第一法則で、慣性の法則と呼ばれるものがある。これは「外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止の状態を維持して、運動(等速直線運動)している物体は運動している状態を続ける。」というものである。

 

「飛び出すな。車は急に止まれない。」という交通標語があった。等速直線運動をしている車を止めるためにブレーキを踏んでもすぐには止まらないし、止まっている状態から発進させるためには、多大のエネルギー(燃料)を必要とするものである。

 

この慣性の法則は人のこころにも存在する。日常生活の中のいろいろな場面を思い起こしてみると、誰にでも思い当たることがあると思う。

 

例えばダイエットをしようと決心して、明日から始めようと思うが、明日になるとつい今までの習慣が新しい自分の決心に勝ってしまい、つい食べてしまう。そしてまた明日から始めようと再度決心する。でも今までの習慣はなかなか変えることができず、これを繰り返してしまう。誰でも経験があるだろう。

 

何事もいざ始めようとすると、こころに抵抗を感じて何となく不快な気持ちになる。次にしようとすることが何か巨大なものに思えてくる。自分にはムリなのではないか、自分には出来ないのではないか、そういう思いがやろうとする気持ちの足を引っ張る。

 

すると、急ぎのことでも重要なことでもなければ、ついつい先に延ばしてしまう。いつかはやらねばならないことでも、いまはやらないことでその場はホッとする。

 

こころの慣性の法則も外からの力を加えない限り、現状を維持しようとする力が働くということである。

 

車の場合はエンジンをかけてアクセルを踏めば動き出す。こころの習慣を変えるためのアクセルを踏むためには、いったいどうしたらいいのだろうか。

 

多くの人は、すぐに結果を求めようとする。何か魔法の杖のようなものを期待して、困難を一気に片付けようとする傾向がある。しかし、長年かけて作り上げてきた習慣という巨大な質量を持ったものは、そう簡単に動かせるものではない。

 

しかし時間をかければ、どんなに大きな習慣でも少しずつ動き始め、動き始めると最初ほどの力を使わずに変化していくものである。ただし、どんな場合にも力を加え続けるということである。決して力を抜かない、中断しないということである。継続は力なりという。

 

やせるためには、単純に考えて消費するカロリーより摂取するカロリーを少なくすることである。足りないカロリーを体内の脂肪を燃やすことによって補い、その結果体重が減ることになる。

 

ただ、脂肪を燃やすと同時に筋肉も利用されてしまうので、同時に筋トレなどの運動を行い筋肉の減量を押さえることが大切である。

 

子どもの頃や成長期には、遊びや運動などで消費するカロリーは多いものである。だから摂取するカロリーが多少多めでも、そのエネルギーが成長のために使われていたので太ってしまうことはなかった。

 

しかし、年齢とともに身体の成長がとまってくると、アスリートなどの身体を使うエネルギー消費量の多い人は別として、普通の人は若いときよりカロリーを消費しなくなる。

 

食生活の習慣は長い間かけて作られているので、すぐに食事量を減らすことはできない。当然のこととして従来の食生活の習慣を継続しているため、摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまい、過剰に摂取されたエネルギーは脂肪として体内に蓄積されてしまうのである。

 

レコーディングダイエットというのがあった。自分の食生活の習慣に気づかせて、意識してカロリー制限をしようという試みである。いままであまり意識することなく食べていた食事内容を客観的に見つめることで、カロリーオーバーを自覚することにより摂取カロリーを減らすという。

 

その他にも様々なダイエットが提唱されている。こころの習慣を変えるためのアクセルはたくさんあるので、自分に合ったダイエット法を試してみることである。しかしどのやり方もじっくりと時間をかけてやることである。すぐに結果を出そうとしないことである。

 

急激なダイエットは、身体に負荷がかかりすぎて体調を壊す。車を加速するとき、エンジンの回転数が上がるのを待てないで、アクセルを踏み込みすぎるとエンストするのと同じである。

ハートふるメッセージ | 18:11 | - | -

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