2007.06.26 Tuesday
人が主体的になるのを阻むものについて考えてみたいと思います。
主体的な生き方の対極として「被害者的な(受け身な)生き方」があります。
主体的な生き方が心理的な「自立」状態だとすると、被害者的な生き方は心理的な「依存」状態で
あると言えます。
相手に「依存」しているので、相手が自分の思い通りにならないと、相手に腹が立ったり、相手へ
の不満が湧いてきます。そして相手を変えようとします。
もちろん相手は、自分の思い通りに変わってくれません。そして、「相手が・・・してくれない」
「相手のせいで、私は・・・」と、自分を被害者に仕立ててしまうのです。
心理学では、この依存(=甘え)のことを母子一体感と言います。
母子一体感は、子どもが育つ過程で持つ健全な甘え(依存)であり、これをしっかり満たしてやる
ことは、人格形成上とても重要と言えます。
次のように子どもが親に甘える例は、よく見られることだと思います。
子「お母さん、のどが渇いた!」
母「ちょっと後にして、今、掃除してるんだから。」
子「(怒って)今すぐじゃないとイヤ!今すぐちょうだい!」
母「はい、どうぞ」(水の入ったグラスを子に渡す)
子「(怒って)どうして水なの!僕が好きなのは牛乳でしょ!」
母「はいはい。・・・はい、牛乳」(牛乳の入ったグラスを子に渡す)
子「なんでアンパンマンのコップじゃないの? 僕がアンパンマンのコップが好きだって
知っているでしょ!」
これが母子一体感という甘えです。
「お母さんは、僕のことを、言わなくても分かってくれているはず」という甘えです。
(子ども時代に、この甘えを上手に満たしてやることは、とても大切なことと言われています)
つまり、母子一体感とは、相手が自分の思い通りになることを期待する心理なのですが、この期待を、大人になって他人に対して持つと、いろいろなトラブルの種になってしまいます。
身近な例として、夫が妻に対して母子一体感を持ってしまった例を挙げてみましょう。
(夫と妻の会話A)
夫「(帰宅して)例の郵便、出しておいてくれたか?」
妻「あっ!ごめん!忘れてた!」
夫「(怒りながら)なにー?今日の消印が締め切りだったんだぞ!楽しみにしていた懸賞だったのに、どうしてくれる?(=母子一体感)」
(夫と妻の会話B)
夫「ただいま〜」
妻「お帰りなさい」
夫「腹減った〜。晩ご飯できてる?」
妻「ごめん、あと30分待ってくれる?今日は友達と話が盛り上がっちゃてね。友達、ついさっき帰ったのよ。」
夫「(怒りながら)何だって?いつもだったら食べ始めてる時間じゃないか!俺と友達と、どっちが
大事なんだ!(=母子一体感)」
以上の例でわかりますように、母子一体感モードの時は、相手の立場や価値観や事情をまったく無視しているわけです。
「僕の立場を分かってよ」「僕の価値観を理解してよ」という、一方的な依存(=甘え)の心理です。
そして、自分がご機嫌な状態を保てるかどうかが相手次第、つまり相手に依存した状態なのです。
会話Aの場合でしたら、主体的に考えれば、次のように考えることもできます。
・「郵便を締切日に頼んだのがまずかったな。次からは、もっと早めの時期に頼もう。」
・「妻に頼まずに、自分で郵便を出せばよかったな。」
・「何かいい解決策はないだろうか?そうだ!今から夜間窓口が開いてる郵便局に行こう!」
会話B
・「よほど大切な友達だったのかもしれないな。」
・「よほど重要な話だったのかな?」
・「妻は友達との関係を大切にするタイプだもんな。」
・「腹が減ってるから、ピーナッツでもつまみながら待ってようか。」
・「腹が減ってて、30分は待てないから、近所のラーメン屋に行こうって妻に提案してみようか?」
母子一体感は、「特別意識」とも言われます。
相手のことを、「まるで神様のように、自分のすべてを満たしてくれる存在として特別視してしまう
状態」のことです。現実的には、あり得ないことを期待していることになります。
心理学で、「自立する」「大人になる」とは、
「相手には相手の考え方や事情がある。」
「相手は、私の思い通りになる存在ではない。」
「おたがいの違いを受け入れあっていこう。」
という心理状態になることです。
主体的な生き方の対極として「被害者的な(受け身な)生き方」があります。
主体的な生き方が心理的な「自立」状態だとすると、被害者的な生き方は心理的な「依存」状態で
あると言えます。
相手に「依存」しているので、相手が自分の思い通りにならないと、相手に腹が立ったり、相手へ
の不満が湧いてきます。そして相手を変えようとします。
もちろん相手は、自分の思い通りに変わってくれません。そして、「相手が・・・してくれない」
「相手のせいで、私は・・・」と、自分を被害者に仕立ててしまうのです。
心理学では、この依存(=甘え)のことを母子一体感と言います。
母子一体感は、子どもが育つ過程で持つ健全な甘え(依存)であり、これをしっかり満たしてやる
ことは、人格形成上とても重要と言えます。
次のように子どもが親に甘える例は、よく見られることだと思います。
子「お母さん、のどが渇いた!」
母「ちょっと後にして、今、掃除してるんだから。」
子「(怒って)今すぐじゃないとイヤ!今すぐちょうだい!」
母「はい、どうぞ」(水の入ったグラスを子に渡す)
子「(怒って)どうして水なの!僕が好きなのは牛乳でしょ!」
母「はいはい。・・・はい、牛乳」(牛乳の入ったグラスを子に渡す)
子「なんでアンパンマンのコップじゃないの? 僕がアンパンマンのコップが好きだって
知っているでしょ!」
これが母子一体感という甘えです。
「お母さんは、僕のことを、言わなくても分かってくれているはず」という甘えです。
(子ども時代に、この甘えを上手に満たしてやることは、とても大切なことと言われています)
つまり、母子一体感とは、相手が自分の思い通りになることを期待する心理なのですが、この期待を、大人になって他人に対して持つと、いろいろなトラブルの種になってしまいます。
身近な例として、夫が妻に対して母子一体感を持ってしまった例を挙げてみましょう。
(夫と妻の会話A)
夫「(帰宅して)例の郵便、出しておいてくれたか?」
妻「あっ!ごめん!忘れてた!」
夫「(怒りながら)なにー?今日の消印が締め切りだったんだぞ!楽しみにしていた懸賞だったのに、どうしてくれる?(=母子一体感)」
(夫と妻の会話B)
夫「ただいま〜」
妻「お帰りなさい」
夫「腹減った〜。晩ご飯できてる?」
妻「ごめん、あと30分待ってくれる?今日は友達と話が盛り上がっちゃてね。友達、ついさっき帰ったのよ。」
夫「(怒りながら)何だって?いつもだったら食べ始めてる時間じゃないか!俺と友達と、どっちが
大事なんだ!(=母子一体感)」
以上の例でわかりますように、母子一体感モードの時は、相手の立場や価値観や事情をまったく無視しているわけです。
「僕の立場を分かってよ」「僕の価値観を理解してよ」という、一方的な依存(=甘え)の心理です。
そして、自分がご機嫌な状態を保てるかどうかが相手次第、つまり相手に依存した状態なのです。
会話Aの場合でしたら、主体的に考えれば、次のように考えることもできます。
・「郵便を締切日に頼んだのがまずかったな。次からは、もっと早めの時期に頼もう。」
・「妻に頼まずに、自分で郵便を出せばよかったな。」
・「何かいい解決策はないだろうか?そうだ!今から夜間窓口が開いてる郵便局に行こう!」
会話B
・「よほど大切な友達だったのかもしれないな。」
・「よほど重要な話だったのかな?」
・「妻は友達との関係を大切にするタイプだもんな。」
・「腹が減ってるから、ピーナッツでもつまみながら待ってようか。」
・「腹が減ってて、30分は待てないから、近所のラーメン屋に行こうって妻に提案してみようか?」
母子一体感は、「特別意識」とも言われます。
相手のことを、「まるで神様のように、自分のすべてを満たしてくれる存在として特別視してしまう
状態」のことです。現実的には、あり得ないことを期待していることになります。
心理学で、「自立する」「大人になる」とは、
「相手には相手の考え方や事情がある。」
「相手は、私の思い通りになる存在ではない。」
「おたがいの違いを受け入れあっていこう。」
という心理状態になることです。
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